日の落ちる時間がすっかり早くなり、間もなく冬至を迎えます。日中気温もあまり上がらず冷え込みが厳しくなる日や雪の降る日もありました。
園内では暖かな季節の到来を待ちわび、冬を耐える実やタネの姿が目立ちます。一方で、寒さなど関係ないかのように花を咲かせる植物もあります。
大きな掌のように深い切れ込みが入った葉のヤツデ。葉の形から別名「テングノウチハ」とも呼ばれます。その大きな葉に抱えられるように茎の先端にいくつもある白い球体。その表面に細かな毛のような、ほわほわとしたものが飛び出しています。じつはこの一本一本が花です。
今の時期、見た目と同じく大きな花が咲くかと思いきや小さな花が集まって咲いているのですね。
花が少なくなる冷え込む冬。アブやハエにとってヤツデの花の蜜は、大切な食料です。ヤツデにとってもほかに花がない冬に花咲かせると、花粉を運んでくれる虫たちを独占できる利点があります。
天気のいい日や気温の高い日には、ヤツデの花の周りを飛んでいる昆虫の姿を見ることができますよ。